企業主導型保育所「ちびっこランド西麻布園」

将来の幸福を夢見るスペイン料理店の物語

料理人として生きていくと決意した年に迷わずスペインに向かった。カタルーニャやバスク地方など、今となっては日本の食通にも知れ渡った各地での合計5年以上の修業は、苦しくも自分のその後の人生を大きく決定づけた。この間、スペイン料理の何たるかを全身を使って体に覚えさえた。そして、人生のパートナーも得た。自分の人生は自分で決める、という気概がない人とは一緒になりたくないと言われたことが心に刺さった。
帰国した直後に東日本大震災に見舞われた。未曾有の大惨事を目の当たりにして、幸せとは味わうべきものであり、幸せが存在するのは「今」だけだということを悟った。そして、将来の幸福を夢見ることは出来ても、幸福をかみしめ心ゆくまで味わえるのは「今」しかないと思った。
2011年7月、震災から半年足らずで僕は西麻布に「Fermintxo」というレストランを出した。小さい3人の子供と店のマネジメント全般を支える妻の存在が自分を奮い立たせてくれる。生かされているからこそぶつかる障害。思い通りにいかないことの数々。しかし、明日生きること、そして死ぬことさえ選択出来る自分の人生に一体どれほどの不満があろうか。

働ける。それだけでありがたい。

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